Él uno (己) 1
先日、タラソテラピーなるものを受けた。
海藻のエキスで綺麗になれると言われてホイホイと。
最後の方に使ったラベンダーオイルの香りを嗅いでいたら
タイでの悪夢が蘇った。
家族でタイのプーケットに出かけた。
格安ツアーだったのにホテルはシェラトン。
しかもスイート。
すてき!と思ったのも束の間、すごいスコールに襲われた。
安いのには理由があった。そう、雨季と乾季の境目。
それはまあいい。
晴れ間もあるでしょ。
スコールの合間をぬってプールや海に。島にも出かけた。
現地ガイドさんが地元のレストランに連れて行ってくれたり
オカマショーも堪能して。
でもだんだん飽きてきていた。
ホテルにあるアロママッサージに行こうと決めて予約を入れる。
「きっとお肌つるつる~うふふ」
聞いてみるとその時間は男性のスタッフしか居ないという。
「OK~」
後先も考えずすぐに返事をした私。
その時に戻りたい。
受付に行くと出てきたスタッフは可愛い顔をしたオトコノコ。
本人を目の前にして、心優しい私に No! と言える筈もなく。
にいちゃんはまずガウンに着替えろと言う。
ヱ?下着も全部取るの?
シャワーのブースに連れて行かれ、シャワーとミストを交互に3回浴びる。
タオルを渡してくれるのはいいけど
すぐ横に居るのはやめて、おにいちゃん。
それからが本当の悪夢だった。
体の上に掛けバスタオルではなフェイスタオル
これじゃあ隠せない。
ベッドにうつぶせになっている時はまだ良かった。
ちっちゃなタオルでも。
仰向けになれ?無理!絶対無理!
恥ずかしさの余り、あまり追い詰められた私は
違う人格になろうとした。
「私は女優~こんなに綺麗」
無理がありすぎた。
余計に惨めだった。
半分泣いていたと思われ。
だって見ず知らずの若いお兄ちゃんにこんな無様な体型みられてさ。
女性ならまだしも男性の若くてしかもかわいいお兄ちゃんに。
お兄ちゃんが何かを言うたびに
(例えばうつぶせになれとか)
私はごめんなさいって謝ってた。
何回謝ったんだろう。旦那さんに謝ったことは1度もないのに。(そこ?)
それ以来、私にとってラベンダーはリラックスできない香りになりました。
教訓:エステは内容を確かめてから予約しましょう。
施術士の年齢、性別も確認する事。